香川県ネット・ゲーム依存症対策条例への疑問

三豊市議会議員の田中達也です。

先日の香川県議会本会議で「ネット・ゲーム依存症対策条例」が可決されました。

条例文(香川県議会)

「ゲームは1日60分まで」香川県議会のゲーム依存対策条例 賛成多数で可決(KSBニュース)

ネット上で多くの批判を受けている同条例に対して、自治体議員として、また県教委の委嘱をうけて子どもの安全なネット利用について啓発活動を行う「さぬきっ子安全・安心ネット指導員」として、見解を質されることも多いため、まとめておきたいと思います。

内容に対して

この条例には、子どもの頃よく言われた、活字を読まずに漫画ばかり読んでるとバカになる、ドリフを見たらバカになる、ギターを弾くと不良になる的な偏見を感じています。

幕張メッセで開催された「地方創生EXPO」に参加した際、同時開催されていた「イベント総合EXPO」に出展していたプロeスポーツチームの方とお話をしました。
認知されずほとんどお金にならないところから、コツコツ活動し、スポンサー企業を得て3回世界チャンピオンを獲るまでになったとのことです。
今ではチームでゲームイベントの運営までこなしているそうです。
この方達が、小・中学生の頃、1日1時間にゲーム時間を制限されていたとしたら、これほどの高みに達することができたでしょうか。

私が子どもの頃、漫画を読まず、ドリフも見ずにいたら、勉強ばかりしてもっと優秀な人間になっていたのでしょうか。
ゲームをやらずに過ごしていたとしたら、幼い頃にコンピュータに興味を持ち、パソコンの専門家として商いをする今の自分があったでしょうか。

この条例案では、プロ野球選手になりたいと夢見る子どもたちに、野球は1日1時間までと制限するのと同じではないでしょうか。
スーパー讃岐っ子育成事業として、将来有望な小中学生に対しアスリート育成を行っている香川県としては、種目にeスポーツを加えてもいいんじゃないかと思うところが、全く逆を行っているように思います。

ネット依存に対するエビデンスも、非常に偏っており、条例化するほどのインパクトはないように思います。

「科学的根拠やエビデンスはない」香川県のゲーム依存対策条例案に専門家が疑問符(HUFFPOST)

パブリックコメントで多くの問題点が指摘されるのは当然であると思います。

進め方に対して

「県民に信用されない」と専門家指摘 香川県議会ゲーム依存症対策条例成立 制定過程が“不透明”(KSBニュース)

こちらのリンク先にズバリ書いてある通りだと思います。

ネット上の誹謗中傷などを理由に検討委員会を非公開としていますが、そんなことをすればさらに炎上するのはわかり切っています。

またパブリックコメントについて、賛成の多数派工作の疑いを問題視されていますが、それ自体に特に違法性はなく、そんな事よりそもそもパブコメは賛否を問うものではありません。

パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。

国はパブコメについてこのように示しています。

しかし検討委員会では住民投票やアンケートのように賛否を集計し比較、賛成多数を理由に早く採決しようとの意見があり、20分程度しか議論されなかったと報道されています。
つまり、「反対」とされている多くの意見を条文に反映させる作業はほとんど行われなかったと考えられます。

加えて問題だと考えた県議がパブコメの公開を求めても、公開されたのは採決後であり、個人情報保護を理由にメモや内容の口外を禁止する通達をし署名まで求めたとのことです。

このパブコメ運用で「行政運営の公正さの確保と透明性の向上」が図れるんでしょうか?

なんというか、意図的に炎上させたいかのような手を次々と繰り出していますね。

これらの状況は、控えめに申し上げて異常です。

まとめ

条文の内容にしても、ネット炎上に対する対応にしても、「世の中の変化に対応できていない」という評価がふさわしいのではないかと感じています。

令和2年度施政方針で「デジタルファースト宣言」をした三豊市。

今回可決された条文には

(市町の役割)
第10条 市町は、県、学校等、保護者、ネット・ゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等と連携し、ネット・ゲーム依存症対策を推進するものとする。

とありますが、三豊市はこれをどのように扱うのか、確認しなければなりません。

追記(2020/3/21)

議員発議による条例の制定という取り組みは高く評価しています。
また、それができる議会にならなければならないと考えています。

さぬきっ子安全・安心ネット指導員としての活動の中で、スマホ等の長時間利用に対する注意は行っています。
しかしそれは、その子の特性に応じて考えるべきことであり、そもそもの害(睡眠不足など)は何なのかを考えてルール決めを行う性質のものです。
ゲームに起因すると考えての説明は行っていません。

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